「てめえらの血は なに色だーっ!」はいかに発せられたか
名セリフ「てめえらの血は なに色だーっ!」はいかに発せられたか
◆「てめえらの血は なに色だーっ!!」のレイ、いつもと一味違いますよね。
下図を御覧下さい。気合充分で叫ぶレイは、クールな表情をかなぐり捨てた迫力で、顔面クマだらけ。効果音なんて「クワアッ」ですよ。まるで鬼人です。
←歌舞伎の悪役?
しかも、この後のレイはザコ戦+侵攻隊長(火闘術の男)戦で目を見張るような強さを見せます。
見てください。このコマのレイ。強そうでしょう?背後に何か漂っていますね。ホラ、ちょっと薄目を開けて見て下さい。これは「闘気」です。ええ、誰が何と言おうと管理人にはそう見える。
レイは、実はケンシロウより先に「闘気」を習得していたのですよ(笑)。
←管理人が大好きなコマ。
どうでしょう、この変身ぶりは。これまではケンシロウに「下がっていろ」と言われ続け、中ボス以上は全てケンシロウに譲ってきたレイ。その姿はどう見てもケンシロウお抱えの鉄砲玉でした。
それが、唐突にこの大活躍。このようにレイを強くさせたものは一体何だったのでしょう(それは死亡フラグじゃないかって?まあ、一般的にはそうとも言いますが)。
◆「てめえらの血は なに色だーっ!!」の直前、レイは何をしていたか、思い出してみて下さい。
そうです。熱い鉄板の上を歩かされそうなリンを助けましたよね。拳王侵攻隊に殴られてケガをしたリンの血をぬぐってやりました。そして、自分の指についたリンの血を見つめているうちに、熱い怒りがこみ上げて来たんですね。
か弱きものに対する優しさ、はかない存在を守りたいが為に呼び起こされる闘志…それが義の星の男・レイの強さの本質であります。
そんなレイですから、傷ついたリンに対する想いをもとに、かつてないほどのパワーを生み出すことが出来た…と言えばそれまでなんですが。
◆しかし、それだけではないのです。
この時はまだ誰も(もしかしたら神=武論尊先生でさえも)知りませんが、リンは天帝の血をひく少女です。そして、レイは南斗六聖拳。初期設定を思い起こせば、南斗六聖拳は遠い昔「皇帝の居城を守る六つの門の衛将」だったはず。
血脈で言えば、天帝=リンは南斗六聖拳=レイに守られなくてはなりません。そう、本人らに微塵の自覚もありませんが、リンとレイは元来は主従なのです。
←後付け設定。
レイにとっては、目の前で流れたリンの血は主の血。この「主の血」に触れたことによって、レイは天帝を守るという六聖拳の宿命に覚めたのです。
本人にそんな意識は無かったでしょうが、義星の宿命を持つレイの体だけは、言い知れぬ力に満ち満ちたに違いありません。故に「闘気」もダダ漏れ、顔も「クワアッ」という美形キャラにあるまじき状態になっちゃったのです。
無自覚とはいえ、自身の宿命に目覚めたレイは、瞬間的にレベルアップ。格闘ゲーで言えば一時的な「無敵」状態です。そのアゲアゲモードが生んだ名セリフが「てめえらの血は なに色だーっ!!」なんです。
管理人は、レイがこの状態のままなら、ラオウとも、もうちょっと良い戦いができたのではないかとさえ思っているのです。それが、どうしてあんなに惨敗してしまったのか。
次の考察ではそれについて述べたいと思います。→「レイがラオウに指一本で敗れちゃったのは何故か?」
リンがレイの妹であるアイリを助けるためにとった「義」の行動
というのもお忘れなく。
またこのセリフは現代社会に対する
武論尊からの怒り・哀しみ・嘆き
のメッセージともとれるのではないでしょうか。
このシーンを見るたび涙がこぼれそうになります。
by りきょ (2012-02-08 20:55)
りきょ様、コメントありがとうございます。
ずいぶん前にコメントを頂いていたのに、ご挨拶が遅くなってすみません。
PC部屋を2階から1階に移動したら、ネットが上手くつながらなくなってしまい、お返事できませんでした。大変申し訳ありません。
>リンがレイの妹であるアイリを助けるためにとった「義」の行動
なるほど、そこまでは気が付きませんでした。
リンの「義」に触発されて、レイの「義」も発動したということなんですね。幼いリンが発した「義」が、レイを動かし、アイリや村人たちまでも動かして、希望が波紋のように広がっていく…。
残酷なシーンの中に、こういう描写があるからこそ、「北斗の拳」は今も名作として語りつがれているのでしょう。
>現代社会に対する武論尊からの怒り・哀しみ・嘆きのメッセージ
そうですね。この「てめえら」とは、社会にはびこる心無き者全般をさしているのかも知れません。
名セリフ過ぎて、今ではパロディのネタとして使われてしまってますが、元々は、武論尊先生の魂の込められた熱いセリフなんですよね。
>このシーンを見るたび涙がこぼれそうになります。
感動のシーンをおちょくった書き方をしてしまって申し訳ありません(汗)。管理人はお馬鹿ですので、他にも阿呆なことを沢山書いていて…。
どうぞ、笑ってお許しくださいね。
では、コメントありがとうございました。
ネットもつながるようになりましたので、これからも、どうぞ、遊びに来てくださいね。
by 林蔵 (2012-03-26 02:09)
御返信ありがとうございます。 たのしい文章と絵をたまーに読ませて頂いています。w 別に怒って書いたわけではないのでどうかお気になさらず^^;
この北斗の拳は私にとってはいろんな意味で印象深い作品です。
ストーリーの要となる人物達の幼少の頃の出来事が度々描かれることがあるのですが、これが登場する人物の魅力をささえていると思います。
あのラオウも子供の頃は幼くあどけないながらもちゃんとラオウとして描かれていたりするところはさすが武論尊の構想と原哲夫の画力の成し得た業。と今読み返すと関心したりします。
ラオウがリュウケンによって崖から蹴飛ばされたトキを担ぎつつ登ってきたシーンの表情に信念の奥に抱く野望がちゃんと描かれていると思いました。
by りきょ (2012-12-05 22:47)